決算書は主に貸借対象表と損益計算書でできています。
このうちの損益計算書(P/L)を図で考えてみます。
目次
P/Lを図で表す
P/Lの一番上には売上高があります。
売上高というBOXの中がどうなっているのかを表したものがP/Lです。
売上高
例えば売上高が98,420,000円だとします。
千円単位で考えると数字が小さくなりスッキリするので後ろの0を3つ消します。
売上高98,420のB0Xを作ります。
この中身がどうなっているのかを順番に考えます。
金額は適当です。
仕入原価・粗利益
売上高の次には売上原価(仕入原価)がきます。
売上高から仕入原価を引いたものが粗利益と呼ばれるものです。
これを図で表すとこのようになります。
それぞれを割合を減価率、粗利益率といいます。
今回の例では減価率が69.4%、粗利益率が30.6%です。
固定費・利益
P/Lでは次にその他の経費がきて、最後に利益がきます。
これらを図に組み込むとこのようになります。
粗利益を固定費と利益に分けます。
P/Lの構造を簡単に表すとこれだけです。
割合を分析する
この図をベースにそれぞれの割合がどうなっているのかを分析していきます。
売上高利益率
最後の利益が売上に対してどの程度あるのかを表します。
今回の例では2.2%です。
この割合は業種によって大きく変わります。
粗利益率の低い卸売業などは低くなり、粗利益率の高いサービス業などは高くなります。
目安としては粗利益率の1/5を適正値の目安とするといいと思います。
この会社の場合は6.12%が適正値ということになり、現状は低くなっています。
1/5は理想的な数値なので、実態に合わせて1/6、1/7を目安にします。
損益分岐点比率
粗利益に占める固定費の割合を表したものです。
この会社では92.9%です。
損益の分岐を表す数値なので、売上高が現状の92.9%になると利益がゼロになります。
100%ー92.9%=7.1%なので、あと7.1%売上が下がると利益がゼロになるというのも同じことです。
ということでこの数値は低いほど安定していることを表します。
会社によって目標の数値は違いますが、80%程度を一つの目安と考えています。
シミュレーションする
この図を使っていろいろと数値を変えてシミュレーションすると価値が出てきます。
もしも減価率が3%下がるとこのようになります。
売上高経常利益率が5.2%になり、適正値に近づきました。
損益分岐点比率も84.6%になり改善されています。
最終的な利益は2,931千円増えました。
今回は減価率を下げてみましたが、売上高を変える、固定費を変えるなどいろいろとシミュレーションしてみて、今後の目標値を設定すると、会社の未来が見えてきます。
この図の本当の価値は、過去の分析ではなく、未来を考えるところにあります。
図を作るときの注意点
この図を作るときは細かい数字は気にしません。
固定費の金額は差額で出します。
粗利益から利益を引いたものが固定費です。
全体的な大きな構造を把握したいので簡単に作るのがコツです。
雑収入があるからどうしよう・・・などは考えません。
まとめ
P/Lを図にすると理解しやすくなるのでオススメです。
数字で並んでいるだけよりもイメージしやすいです。
今回紹介した数値以外にも、固定費の中を細かく分けて、人件費率を把握したり、販売促進費率を把握することも有効です。
手書きで簡単に作れる図なので毎月書いてチェックし、シミュレーションすることをオススメします。
〜 なんてことのない日々 〜
昨日から国立の実家に帰ってきています。
息子が生まれて初めての里帰りです。
1日違いで生まれた妹の子供とも初対面です。
うちの息子の方が一回り大きく、とても1日違いには見えません(笑)。