ネットで不用品を売った場合、税金の申告は必要でしょうか


個人がネットを使って簡単に物を売ることができる時代です。
いらなくなった洋服などを売った場合、税金の申告は必要なのでしょうか。

生活に使っていたかがポイント

個人がネットで物を売る代表的なアプリに“メルカリ”というのがあります。
売った金額の10%を手数料としてメルカリに支払えば誰でも簡単に出品できます。

売って利益が出た場合は税金がかかるのでしょうか。
結論から言うと、生活に使っていたものを売った場合税金はかかりません。

所得税法は次のように規定しています。

自己又はその配偶者その他の親族が生活の用に供する家具、じゅう器、衣服その他の資産で政令で定めるものの譲渡による所得には所得税を課さない。(所得税法9条1項9号)

日用品を売っても税金はかからないということです。
ただし宝石や骨董品などで30万円を超えるような高価なものは税金がかかることになっています。

生活に使っていなければ税金がかかる

洋服や家具など生活に使っていたものを売ったのであれば税金はかかりませんが、販売用に大量に商品を購入して売る、新品の商品を売るなどについては税金の対象になります。

売上から関係する経費を引いて利益を計算します。
利益に対して税金がかかるのですが、税金の計算上利益から引けるものがあります。最低でも所得税で38万円、住民税で33万円が引けます。

メルカリなどで得た利益(所得)とその他の所得の合計が33万円以下であれば所得税も住民税もかからないので申告は不要です。
33万円以外にも引けるものがある可能性があるので一概に申告が必要とは言えませんが、33万円を超える場合は申告の準備をしておいたほうが安心です。

給料をもらっている人は20万円の壁?

所得税には給料をもらっている人の副業については別の規定があります。
給料以外の所得が20万円以下の場合は確定申告不要というもの。

小額な所得については実務的な手間も考慮して追求しませんという趣旨。

ところが住民税にはこの規定がありません。。。
所得税の申告は不要なのですが、住民税の申告は必要になります。
ややこしい話です。

まとめるとこうなります。

【メルカリなどの儲けしかない人】
儲けが33万円以下 → 非課税
儲けが33万円超  → 住民税の申告が必要
儲けが38万円超  → 所得税の申告が必要

【給料があって副業でメルカリなどの儲けがある人】
メルカリなどの儲けが20万円以下 → 住民税の申告が必要
メルカリなどの儲けが20万円以上 → 所得税の申告が必要

まとめ

メルカリなどは誰でも簡単に出品できる便利なアプリです。
生活に使っていたものであれば税金はかかりませんが、売るために仕入れたようなものについては税金の対象になります。
ある程度儲けが出そうと思ったら日々売上と仕入原価、関係する経費を記録しておきましょう。

配偶者の扶養になっている人はネット出品の収入で扶養に入れなくなる可能性もあります。
給料を103万円ギリギリに抑えて扶養に入っている人などは注意が必要です。

不思議なことに税務署は色々と知っています(笑)


〜 なんてことのない日々 〜

すっかり朝晩が冷え込む季節になってきましたね。
油断して布団をかけないで寝ると朝方体が冷えています。
子供たちは風邪気味で鼻水をダラダラ流しています(笑)
それでも元気に遊びまわっています。

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税理士 西野伸太郎

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